学校教育法の一部改正
文科省が「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映する場合を定める告示」をし、2週間ほど前(8月15日)までパブリックコメントを求めていました。
その結果、126件の意見があったようですが、文科省は特に修正することなく8月29日に
「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等(案)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の結果について」(e-Govポータル)
を公表すると同時に施行しました。
学校外での学習が評価されるという点では、前進する部分もあるかもしれませんが、マイナスな部分も出てくるでしょう。
パブリックコメントのいくつかは、上記リンクの「結果概要」のPDFから読むことができます。
ごもっともな指摘が多くあります。
一方、”不登校を助長することとなるのではないか”という、昨年どこかの市長が発言して問題になった内容に似たコメントもありました。
既存の学校を中心にし過ぎている
新法について色々と指摘したい事はあるのですが、根本的な問題は「フリースクールに通う子の出席や成績を、『在籍している(けれど登校していない)学校に認めていただく』必要がある」という点です。
それを達成するためにやらなければならないことの欠点が、パブリックコメントでも指摘されていて、
・学校に認められるような学習をしなければならなくなる。
・教員の負担が増える。
・登校している生徒と公平に比較できるのか?
などが挙げられていますし、登校している生徒(と、その保護者)から「ずるい!」という意見も出そうです。
そして、何よりまず、不登校の子供は「登校しなくなった学校に認めてもらいたい」と思うのでしょうか?
”あんな学校、自分には関係ない!”と思っている子供たちは結構いる気がします(個人的な見解です)。
であれば、基本的な改正ポイントがズレていることになります。
では、どうすれば良い?
現在、高校について言えば、全日制に加えて通信制・定時制という別の学びのスタイルが認められています。
それを、中学校でも認可すれば良いと私は思います。
現在通信制の中学校は昭和22年の学校教育法に基づいて、国に認められていませんし、文科省も認可するつもりが無いようです(過去記事「通信制”中学”を文科省は認可していない①」)。
通信制高校も元々は、戦後に郵便で始まったようですが、テクノロジーの進歩でオンラインが可能になり、コロナ禍でさらに広まりました。
高校にはかなりオンライン学習の知見が蓄積されましたので、もはや昭和22年(77年前)とは全く違う教育機関および世の中になっているはずです。
また、”非公認”ながらも通信制中学校はすでにいくつか国内に存在しています。
「やらない理由」を探せばいくらでもあるでしょうが、今の子供達、そして彼らの将来の事を考えて、大胆な教育改革を国にはしてほしいものです。
今回の教育改正も、私はうまくいかないと予想しておりますが今後をしっかりと見ていきたいと思います。(予想が外れて、うまくいくことも願いながら)