本日は教育に関する本の紹介ですが、親ではなく子供(中学生くらい)に向けて書かれた書籍です。
著者について
本書著者である瀧本哲史氏の本は、このほか何冊も読みました。
非常に鋭い指摘を論理的にされるので納得できることが多く、また、鼓舞される感覚になるため大好きな作家さんでした。
しかし、残念ながら2019年に亡くなられました(享年47)。
京都大学の客員准教授として、大学生に多くの話をしてきた著者が、中学生を読み手として意識して書かれたのが本書「ミライの授業」です。
私も息子に読ませたいと思い購入しましたが、息子は読みません😅
しかし、親が読むことで子育ての参考になる事が多いですし、本書の最後で「かつて14歳だった現在の大人」に向けて「まだ時間は残されている」と書かれています。
2016年に出版された本書執筆時に著者自身が病気の事を知っていたかはわかりませんが、なかなか深い言葉です。
「大人も一読の価値あり」と思います。
内容は
過去の世界的偉人19人(日本人も含む)の具体例を示し、なぜ彼らが偉人になり得たかをわかりやすく説明しています。
中学生に向けて、
- 君たちは大人の常識に染まり切っていない。
- 不思議に思ったり疑問を感じたりする「小さな違和感」を大切にしてほしい。この違和感こそが未来につながる扉。
- 世界を変えるのは古い世代の人たちではなく、いつも『新人』である。
と、やる気を起こさせる言葉が多いですが、
「敵は前方にいるとは限らない。ときには後ろから矢が飛んでくることもある」等、注意を促す記述も時々あります。
しかし、基本的には
固定観念に凝り固まった大人たちにどう言われようと、自分が疑問に思ったり、興味を持ったことに取り組んでほしい。
今の時代は、そのような新たな考えが特に必要だし、過去の偉人たちも周りからバカにされようとも取り組み続けて、偉人になった。
でも、取り組み方はちょっと気を付けてね。
という内容です。
そして、最後に「20人目の偉人は君自身だ」と締めくくり、子供達を未来へと導いて本書は終わります。
著者の講演を聴いた若者
以前、同じ職場に京都大学卒業の新人がいました。
彼に著者の事を質問したところ、授業を大学生時代に聴講していたそうです。
彼が大学生の時は、著者が有名になり始めた時期で授業の度に聴講者が増えていき驚いたと言っていました。(ついには、教室に入りきれなくなったそうです)
また「世の中のお金はどのように回っているか」という話がとても興味深かったとも言っていました。
40歳代と若くして亡くなられたことは残念でしたが、多くの若者に影響を与えた著者の生き方に「素敵だな」と素直に思います。
私も微力ながら、若者のため、未来の日本のために少しでも貢献したいと思いました。