先日「不登校の”高校生”向けオンライン授業のモデル開発…」という報道に対して、「小学生・中学生に対しては、やらないの?」とXでポストしましたが、どうやら法律(現在の)で認められていない(部分がある)様です。
それを踏まえて、本日は通信制高校ではなく、通信制”中学”に関する私の考えを述べたいと思います。
「通信制」が合う子供たちは結構いるはず
と言うのも、現在長男が通信制高校3年生であり、通信制高校の自由さ・多様性がとても良いと実感し(私が)、子供達にとっての選択肢が増えていることに好感を持っています(過去記事「祖父母の家で通信制高校の授業を受けた長男」)。
「通信制高校」とひと言で言っても、様々な特徴をそれぞれの高校が持っており、通信制高校によってもかなり違うようです(私は長男が所属する通信制高校しか知りませんので、その他はあくまでもホームページ等からの情報を踏まえての話ですが)。
近年の不登校の増加に伴い、通信制高校の需要も高まり、認知度も上がってきています。
一方、「中学校」に関しては、現在「通信制がない」という事に対しての不満・時代遅れ感を感じ始めました。
学校教育法で許可されていない
学校教育法(昭和22年)には、
高等学校は、通信による教育を行うことができる。
学校教育法(昭和二十二年三月二十九日法律第二十六号) 第四十五条
と記載されていて、高校に関しては通信制が認められています。また、中学校に関しては、
中学校は、当分の間、尋常小学校卒業者及び国民学校初等科修了者に対して、通信による教育を行うことができる。
学校教育法(昭和二十二年三月二十九日法律第二十六号) 第百五条
と書かれています。
これを読むと「中学校でも通信制OKじゃん!」とも見えますが、”尋常小学校”、”国民学校初等科”という部分がくせ者です。
どちらも現在の小学校に相当はするのですが、尋常小学校とは明治維新後~第二次世界大戦前まで存在した小学校で、国民学校はその後の第二次世界大戦開始~終戦まで存在した小学校です。
謂わば「旧」小学校です。
その「旧」小学校を卒業した人のみが、”通信による”中学校教育を受けることができるという解釈になるようです。
つまり、「昔、小学校を卒業したものの中学校を卒業していない人(戦争の混乱等を考慮して?)には通信制を認めますが、現代の小学校を卒業した子は、通信制中学で教育を受けてもそれを文科省(国)は認めません」という事らしいです。
通信制で有名な「N中等部」も認可されていない
通信制高校で有名なN高等学校・S高等学校・(R高等学校)を運営する角川ドワンゴ学園は通信制の中学である「N中等部」もあり、通信での教育を提供していますが、文科省(国)には中学校とは認定されおらず、通常の別の中学校にも在籍し続ける必要があります。
実際、角川ドワンゴ学園(N中等部)のホームページにも以下のように書かれています。
N中等部は学校教育法第一条に定められた中学校ではありません。
ご自身の中学校に在籍したままN中等部で学んでいただきます。
「学校法人角川ドワンゴ学園 N中等部」ホームページより
つまり「登校しない近くの中学校に籍は残しながら通信制のN中等部で学び、卒業証書(公的な)は近所の中学校から授与される」という奇妙な形式になってるという事です。
なんかおかしいですよね・・
<次回(通信制”中学”を文科省(国)は認可していない②)に続く>