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書籍「学校に行かない子どもの社会史」を読んで

読書(学校・教育に関する)

久しぶりに不登校・教育に関する書籍の感想です(あくまでも個人的な)。

学校に行かない子どもの社会史」は田中佑弥氏によって書かれ、昨年(2024年)に出版された書籍で、まだ不登校ではなく「登校拒否」と呼ばれていた時代も含めて、学校に行かない子どもについての社会現象・議論の歴史をまとめたものです。

驚くことが多かったし、今後の不登校の子供たちについても役立つことが多いと感じたので、私が興味を持った点を中心に述べたいと思います。

まずは、40年も前にすでに「子どもの居場所」が存在していたことに驚きました。

つまり、それは不登校(当時は”登校拒否”)がそれ以前から一部の保護者にとって大問題になっていたという事です。

終戦後

不登校自体はまず戦後に多かったようですが、それは「親の手伝い」をするためであり、その後の日本経済の発展と共に一時減りました。

そして、1950年代には親の手伝いとは関係なく、子供の意志で学校に行かない(行きたくない)という現象は起こっていたようです。

その後、文部省(現在の文科省)、学校、医師の間でも「増加する不登校にどう対応していくのが良いのか?」と議論をしながら、60年代・70年代と大きな変化が無いまま?過ぎていきます。

1980年代以降

そして、1980年代には興味深い事がいくつかあります。

・登校拒否の原因に関するアンケートも教師及び児童生徒の両者に対して実施されており、1989年に教師回答児童生徒回答では「『不登校の原因』の認識に大きな違いがある」ことが公になりました。

⇒この差異は、最近もSNSなどで時々指摘されますが、新しい事では無かったのですね。

・1992年には文部省の学校不適応対策調査研究協力会議は「登校拒否となった児童生徒の属性的要因が決め手となっているとは言えないケースも数多く報告されている。登校拒否はどの子供にも起こりうるものである、という視点に立って登校拒否をとらえていることが必要である」と報告。

⇒特別な疾患では無く誰でも不登校はなり得ると、文部省が認識したことが伺えます。

しかし、

・1998年に精神科医が「登校拒否を治療しないと将来無気力症になる」と病気扱いしていたこと、およびそれに対して居場所の人々が抗議をし、それなりに社会現象になったらしいです。

⇒このような考えをする医師は現在もいますね。

読み終えて

以上、特に気になった点を簡単に書きましたが、これらの事は現在も続いている問題が多く、結局数十年も「学校の在り方・不登校の認識」が変わっていないことに日本の義務教育・学校組織の根深さを感じました。

読み終わっての感想は「今と同じじゃん」でした。

つまり、文科省・学校に対する正面からの交渉は実を結ばない(ことが多い)と改めてわかり、別のアプローチが必要だろうと強く感じました(個人的な感想です)。

「不登校の子を持つ保護者たち」「学校(教師)」「文科省」「医師(精神科医・小児科医)」のその当時の考えと、お互いの論争が経時的にわかるので、不登校に興味のある方々は本書を一度読んでみてはいかがでしょうか。

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