久しぶりに学校・教育に関する本の感想です。
この本は私がX(旧twitter)でフォローさせてもらっている方が絶賛されていたため、読み始めました。
多様な教育・発達障害・学校問題に関心がある人にはとても興味深いと思いますので、是非書籍を読んでみてください!
本の著者は、原田真知子さん。36年の教員経験がある元教師です。
問題ある(とされている)子がいるクラス
著者が小学校の担任をやっていた時の、異なるいくつかのクラスが実例として書かれています。
低学年だったり、高学年だったり。
そして、クラス内には「問題を抱えた児童」が何人かいて、クラス中に悪い影響を与えている中、原田先生がどのように関わっていったかという事が書かれています。
原田先生は、かなり時間をかけてその児童と対話をするのですが、当然簡単ではありません。
他の児童も巻き込んで、「クラスとして」改善していく姿勢がとても印象的です。
このような対話・対策に他の児童とともに取り組むという事は、「通常の授業の時間が減ったのではないか?」と私は想像します(実際がどうなのかわかりませんが)。
そうなると、「受験勉強志向の保護者からはクレームが来そう」と、まず感じましたが、受験の勉強よりもこのような事に取り組んだ経験の方が、子供たちにとって将来大切な人間形成の場になったと思われます。
この同級生たちが現在どのような人間になっているのか?
とても興味深いです。
親の協力が大切
また本書に書かれている問題のある子供たちの母親が全員、とても担任に協力的な点も印象的です。(父親が非協力的な家庭はありますが)
これは、「母親が協力的な場合にはうまくいった」という事を示唆している気がします(実際はわかりませんが)。
そして、当然「担任教師の」負担も増えます。
現在、教員の成り手不足&過重労働のため、本書のような対応をする余裕はない教師が多く、実際にはとても難しいと思います。(と思いながら読んでいたところ「あとがき」で著者も指摘していました)
余計な雑務(会議・資料作成など)を減らし、教師が子供たちに向き合う時間をより多く持てるように文科省・教育委員会は改変すべきでしょう。
まとめ
本書で書かれている小学校の授業では、子供たちが「自分で調べる(経験する)」と「自分で考える(想像する)」をし、「他の人(クラスメイト)と話し合う(討論する)」を重視しています(教師がそのように導いています)。
これはただの「知識詰め込み」よりも、将来はるかに役立つでしょう。
子供たちの世界だけの話ではなく、我々大人も「『いろんな人がいる』が当たり前の”社会”に」していく必要があると感じました。