先日、雑誌のインターネット版で「不登校児のうち、98.5%が何らかの精神疾患を有していて、ほとんどは薬で症状が改善し10%は登校できるようになった」という”不登校専門クリニック”の院長医師の記事が掲載されました。
私は専門家ではありませんが、医療従事者であり不登校の息子を持つ父としての観点から、反対の意見を述べたいと思います。(あくまでも私個人の意見です。)
精神疾患の範囲
「何を精神疾患とするのか」で、98.5%という数値も大きく変わると思います。
文献等を調べてみますと「発達障害は、精神疾患の範疇になる」らしいです。
一方、「HSC (Highly Sensitive Child:敏感な子)は精神疾患ではない」ようです。
しかし、これらは”一般的に”という事であって、”私の考えでは○○も疾患概念に含まれる”というような個人の考えで判断すると、98.5%という数値もあり得るかもしれません。
不登校が薬で改善する??
それよりも、私が反論したいのは「薬でほとんどの子供が症状改善し、10%は登校できるようになった」という点です。
不登校の原因は様々です。
うちの次男も児童精神科に通院し、投薬を受けましたが症状は改善しませんでした(過去記事「児童精神科受診③」)。
そして、現在も不登校で、不登校歴6年目に入ろうとしています。
もしもこの事実を記事の医師に伝えたとすると、恐らく「それは薬の選択を間違えているんだよ」と言われるのでしょう。
しかし、次男の主治医の児童精神科医師の治療が間違っていたとは思いませんし、その主治医も「効果があるかはわからないけれど、まず試してみましょう」という感じで、説明内容に私は納得できました。
そして、効果が無いので薬は中止となりました。
私自身は「薬を試して効果がない事が分かった」事は、とても有意義でした。そして、「では、別の薬を・・」と言われたとしても、もう希望しなかったと思います(主治医も別の薬を提案しませんでしたが)。
不登校に関する情報は多岐にわたる
私は、あまり個人の意見を否定したくないのですが、本件は「どこにすがれば良いのかわからず困っている親子を、さらに悪い状況にしうる」可能性があると思い、本日このようにして書きました。
もちろん「薬で良くなった人もいる」でしょうが、「全員が薬で改善するわけではない」という事をご理解される必要はあると思います。
現在、私の息子は不登校6年目に突入しますので、父親である私の心もだいぶ安定しましたが、息子が不登校になったばかりの頃に今回の記事を読んだら嫌がる息子を無理やりクリニックに連れて行ったかもしれません。
不登校になったばかりの家庭は、色々と情報を調べると思いますが、本当に様々な情報がネット上にはありますし、近所にもいろいろな意見(アドバイスと称した)を言う人がいます。
その中から、取捨選択し、我が子に合った対応が必要です。
「不登校の原因は様々で、対応も様々」です。
うちの長男と次男でも状況はだいぶ違いましたから。